屋根とは
・・昔から「雨露をしのぐ」などと言われていますがはたして、それだけなのでしょうか?

私は日本古来からの『瓦屋根』を施行業務としております。

 所謂、職人風情でございます。    

好きで選んだ職業ではございませんがやっているうちにいろんな事がわかってまいりました。

 このページではそんな事を書いてみました。


屋根材としての性能

   1)耐水性  水分による材質に変化がなく、吸水率が少なく透水しないこと(モレないこと)
           最近は酸性雨の事が話題になっていますがそれらによっても材質に変化が
           しにくい事が必要です。

   2)耐久性  前記等による材質の変化、温度、湿度による伸縮、凍害などが少ない事。

   3)強度   風、積雪、地震などの外的な衝撃で変型したり破損しない事。

   4)耐火性  内部からの火災は別として外部からの類焼を防げる事。

   5)断熱性  夏の直射日光を受けた暑さ、冬の厳しい寒さを防げる事。

   6)遮音性  雨の音や、風の音が気にならない事。

   7)通気性  小屋裏からの通気や、結露を防ぐ為には適度の通気が必要です。

   8)経済性  性能に合う価格で施行後の維持管理が簡単な事。

   9)美観   これには各人の好みがありますのでどれが良いとは言い切れません。


       
  上記の事をふまえて考えてみましょう。

   まず、最も重要な事は、
 1)耐水性ではないでしょうか?

   雨が漏らない事。---その為には吸水率が少ない事、吸水率が多いと透水してしまいます。
               常に少ない吸水率である為には水分による材質の変化がない事。
               その事は2)の耐久性につながります。

 2)耐久性
    私達の国は高温多湿な土地柄であります。
   夏の暑さ、台風の到来、秋の長雨、冬の厳しい寒さ、梅雨時のじめじめした雨、・・
   季節感があるのは好ましい事ではありましょうがその間、屋根材はこの苛酷な状況下で
   日々、耐え忍んでいるので御座います。
  
    はたして、どれほど耐えられるものでしょうか?  
   耐久年数も重要な項目の一つです。
    
    ちなみに、小生は粘土瓦が最も耐久性に優れていると思っております。
     (奈良の元興寺の禅室と食堂の屋根には1300年前の瓦が葺かれているそうでございます。
      また、当麻寺の金堂には800年前の瓦があるそうでございます。)

 3)の強度ではそれらの外的な影響にもどれほど耐えられるのか、が重要です。

 4)は万が一の時の事であり通常ではあまり考えない事でしょう。

 5)の断熱性は、とても重要となります。
    夏の暑さも冬の寒さも今日ではエアコンの普及であまり関係ないように思われがちですが
   実際には冷暖房費に関わってまいります。 
    断熱性の優れた屋根材を選ぶ事をお勧めします。

   (私の町、五條市では平成6年に最高気温39.3℃、最低気温は同8年の-5℃でした)

   また、
 6)の遮音性も日頃はあまり感じませんが実際には雨の音などをどれ位防げるのかが問題です。
   私達の国、日本では年間にふる雨の日数は約140日もあります。

   私の町、五條市でも平成8年で雨の日が98日、雪の日が31日、計129日は降った事になります。
                
 7)の通気性については現在の施行方法のほとんどが屋根下地材に「アスファルトルーフィング」を
   使用している為、小屋裏の通気に関してはなんとも言えません。

   最近では、「棟換気」等で小屋裏の換気を行う事が多いですが、これらは事前に設計士、
   工務店さん等との打ち合わせが必要です。
   

 8)経済性については施主さんのお考えで変わりますが私どもとしては施主さんの大切な
   家ですので最高の仕事をしかも安価(適正な価格)で施行したいものです。
   (安くて良い物は絶対にありません!もし、あったとしたらその裏で泣いている人が
    必ずいるはずです)

 さて、ここで問題なのは施行後の維持管理だと思います。

 昔から『瓦千年、手入れ年々』と言われていますが実にそうなのです。

 例えば、皆様方が車を買われたのならどうでしょうか?

 洗車をして、年に何回かは定期点検をし、また3年、あるいは2年に1度は車検、と
 常に整備して万全を期していますね。

 しかし、こと家となるとどうでしょうか?
 何年もあるいは何十年とほったらかしではないでしょうか?

 さて、ここで問題です。
 Q:貴方のお家はいくらでしたか?
     A:        円
 Q:では貴方の車はいくらですか?          
     A:        円     
 Q:貴方はこの家、あるいは車を何年で買い変えますか?
     A:1家     年  2車     年
 Q:では、貴方にとって車と家とどちらが大切ですか?
     A:
 
 どうでしょうか?   貴方達の価値判断は正しい答えを出しましたか?

  私の考えとしては車とはすでに「消耗品」なのです。
 何百万円もした車も十年乗るか乗らないかで下取りに出すか、廃車として処分する訳
 でしょう? 

  それでは家はどうなのでしょうか?
 まあ、最近は「消耗品」のような家が多くなりましたがそれはそれとして多分誰もが家を
 造ったり買ったりする時には『ここが私達の一生住む家だ!』と思っているのでは
 ないでしょうか
 
  何千万円もする家を買ったのですから、、大事にしましょう。
 メンテナンスも必要な事なのです。
 
  ちなみに最近は「輸入住宅」が流行っていますが日本には『適材適所』と言う言葉が
 ございます。

 イギリスにも『ゲニウスロギ』と言う言葉がございます。

  西洋の住宅が素晴らしいのはその地にあってこそ素晴らしいのでございます。
 北欧のあるいは北米の住宅がこの高温多湿な国、日本でどれだけその素晴らしさを
 発揮出来るのでございましょうか?

 『家』を「輸入」しようなどと考えるのはまず、私達日本人だけではないでしょうか?

 今一度、私たちの先人が築いた日本古来の工法を見直しても
      良いのではないでしょうか?!