酸性雨・霧について
    最近、酸性雨という言葉が良く聞かれるようになりましたがさて、
    そもそも酸性雨とは何なのでしょうか?またそれらが建築、特にみなさんの住まいに
    どのような影響をおよぼすのでしょうか? 
    そして、・・・わたしたちにも・・・・・

    少しお勉強しましょう。





 酸性雨・霧とは?

    亜硫酸ガスなどの大気汚染物質が雨や霧にとけ込んで強い酸性を示す水になること。

 酸性とは?

    水に含まれる水素イオン濃度を示す単位をPhと言い、この水素イオン濃度によって
    水の酸性、アルカリ性が決まります。
    Ph7を基準としてそれより大きい数値はアルカリ、小さい数値は酸性とよばれます。
    Ph1の違いは10倍の違いがあり、たとえばPh4はPh5の10倍となり
    Ph3はPh5の100倍もの酸性を表すことになります。

 では、どのような害があるのか?

    森林を枯らし、水棲動物などを減らし、金属などを腐食させます。

 報告されている実例は?

    アテネのパルテノン神殿における大理石の溶解、
    ドイツのケルン大聖堂や野外に展示されているブロンズ彫刻などの被害
    また、各地の森林(松林など・・)被害

 いつ頃から?

    酸性雨による被害は今に始まったことではなく、足尾鉱毒事件のように我が国でも
    すでに明治時代に強い酸性雨が降っています。
    この酸性雨と亜硫酸ガスによって、栃木県足尾の人々や蚕、松林に大きな被害をもたらしました。

 酸性雨の基準は?

    大気中には、炭酸ガスが0.03%ほど含まれていて、この炭酸ガスが水に溶けたとき、
    水はPh5〜6前後を示します。このPh値を基準として、それ以下の酸性を示す雨や霧を
    全国的に酸性雨・霧と言います。通常、日本ではPh4.5前後とされていますが地域によっては
    Ph3.7を示した所もあり、これは欧米に見られる酸性雨の酸性度に近い値を示しています。

 では、雨や霧がどうして酸性化するのか?

    雨や霧の酸性化は大気汚染物質として硫黄酸化物や窒素酸化物、塩化物などが雨や霧に
    とけ込むことで起こります。

 雨は降り始めの方が酸性度が高い!?

    雨が大気中で酸性化する機会は煙突などから排出された酸性の大気汚染物質が空を移動する
    雲の中で雨のもとになる水滴にとけ込む時と、雨となって降ってくる途中で、大気中に
    浮かんでいる酸性物質を水滴に取り込む時と、2度の取り込みがあり、「降り始めの雨」の
    方が酸性度が高い。
    また、久しく雨が降っていない時などは3度目の酸性物質の取り込みがあります。
    それは、雨水を酸性にする硫酸イオン、塩素イオンなどが雨水より瓦の上を流れた雨水に
    多いことがデーターとして確認されています。
    これは、屋根に堆積した汚れを雨水が洗い流したことによる結果と考えられます。

 建築、住まいにはどのような影響が?

    住まいの中で一番、影響を受けるのは屋根です。
    屋根は、降ってくる雨を一心に受け止めてそれを雨樋を介して排水しています。
    そして、それは屋根材の素材により影響の度合いが違ってきます。

    陶器瓦、天然スレート(石)、セメント瓦、カラーベスト、金属、etc・・・

 素材として

    出来るだけ酸化しない素材、あるいはその度合いが少ない素材が良いと思います。
    ちなみに、酸化とは物質が酸素と化合すること、を意味し酸性雨がなくても空気中の酸素と
    化合する。
    鉄、等の金属の錆も酸化が原因ですし、セメントやセメントを主成分としたものの
    風化なども・・・

    その事がそれらの素材の耐久年数と関係してきます。

    ちなみに、奈良の元興寺には1,300年前の瓦が一部の屋根に葺かれています。
    1000年以上も耐え続けた素材が他にあるでしょうか?

 銅板の腐食について

    最近、銅板の腐食による雨漏りがよく聞かれます。
    以前は銅板は一生物と言われていましたが実はそうではないようです。
    しかし、屋根には色々なところで銅板の御世話になっているところがあります。
    雨樋、谷板、また一文字葺きでは軒先部やけらば部、などです。
    特に谷板に穴があきますと屋根裏に雨水が漏り、知らず知らずの内に周囲の木材を腐食させます。
    (銅板の被害は谷板に多く見られ、普通に雨水が当たっている部分にはあまり見られない。)

 なぜ、谷板の銅板に穴があくのか?

    銅板は酸化し、酸化第一銅という錆が発生しますがこの錆が銅の耐食性を担っているわけですが
    谷板のような瓦の上を流れた酸性の雨水が連続的に滴下した場合、銅の耐食性を担っている
    銅酸化物が密着できず、洗い流されてしまい、その部分の銅の溶解を加速する。
    また、水中にとけ込んでいる酸素は銅の溶解を促進します。
    銅板は、水が連続的にあたるような衝撃がある場合、耐食性が悪い

 では、どうすれば?

    1:銅板の厚みを厚くする。(ある程度厚みで銅の溶解が長らえるかも・・・)
    2:銅板に酸に強い溶剤をコーティングし、銅板を保護する。
    3:銅板以外の酸性に強い素材にする。例えば、銅板より強いであろうと言われている
      ステンレスなど
      あるいは、塩酸や硫酸でも溶けない「金」を使うとか?(冗談です・・・)
    4:銅板で谷板などを張らなければならないような屋根を作らない。
      (最も簡単で堅実な方法です。)

      ようするに、ややこしい形ばかりの屋根を作らないことです。
      (そうでしょ!設計家さんたち!?)
      (ある有名建築家さんなどは、あだ名が「雨漏りXXX」などと言われているそうです。)
    5:最も良いのが酸性雨を発生させないことです。  





おまけ   人間も酸化する?      そうなんです。      実は、私たち人間も酸化し続けているのです。            酸素は、私たちを含め生物にはなくてはならないものです。      が、実はその酸素が私たちの体にとっては有害なものでもあるのです。      で、一寸脱線して「人が老いるメカニズム」について  人が老いるメカニズム      人は生きるために息をします。      イキ(息)をすることが、まさしくイキ(生)ることなのです。      イキをするから、イキる。イキるために、イキをする。イキイキ。      ちなみに、このイキ 一時流行った「イッキ!イッキ!」のイッキ飲みとは無関係です。      念の為      さて、本題に入りましょう。
老い      人間は、息をして酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を吐き出します。      体内に取り込まれた酸素は必要なだけ使われた後、体内に残ります。      酸素は赤血球によって運ばれます。      この酸素が私たちのDNAを傷つけます。      傷つけられたDNAもある程度までは体内の酵素によって修復されますが、酵素の働きよりも      酸素がDNAを傷つける速度の方が速いのですね。            年齢が高くなるほど、DNAの傷は多くなっていきます。      DNAに傷がつく→細胞に異常を起こす→病気になる  と、言うわけです。      細胞自体が異常を起こすことが「老い」の1つなのです。 DNA      人間の持っているDNAは、らせん状になっています。      らせん状のDNAは、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)      の4つの塩基から成り立っています。      このらせん状DNAの両端には、4つの塩基が TTAGGTTAGG・・・・と、いう      順番でつながっています。     これを、「テロメア」と言います。このテロメアが人の寿命に大きく関わっています。        テロメア                テロメア         ↓                   ↓      .....TTAGGTTAGGTTAGGACTG.................ACGTTAGGTTAGGTTAGG........       細胞が分裂するとき、この両端のテロメアは傷ついてちぎれてしまいます。      これは、本体のDNAを傷つけないためにテロメアがあるという事なんですね。      で、このテロメアが短くなりますと細胞分裂を行わなくなります。      人間の分裂の限界は約60回だと言われています。      60回、  この60回の細胞分裂が私たちの命の「期限」なんですね。      なんか、期限って書くと「賞味期限」ってのを思い出しますなあ。 関係ないけど、、      私たちはらせん状のDNAを持っています。      なぜ? らせん状なのでしょうか? なぜ、らせん状を選んだのでしょうか?      DNAにもいろんなのがあるみたいですね。      大腸菌のDNAは、リング状になっています。      ですから、そのDNAにはテロメアがありません。      したがって、永遠に分裂することができます。      大腸菌はその為に必要なエネルギーがあれば単体で分裂できます。      人間を含め、多くの生物は単体で増えることはありません。      人間をはじめ生殖動物はすべて、らせん状のDNAを持っています。         なぜ?      それは、新しい並びのDNAのために生物としての私たちが選んできたものなのです。      生殖  つまり 2つのDNAをランダムに半分づつ受けついだ新しいDNAの      ために私たちは「死ぬ」ということを選んだのです。         (ああ〜、なんと!感動的なんだ〜!  ってか?)      この新しいDNAを産むとき、2つのDNAをくっつけてDNAのシャッフルを行う役目を      テロメアが受け持っています。      テロメアがないと2つのDNAは出会うことができません。         (テロメアって、すご〜い!!)      大腸菌は、進化の可能性よりも「永遠の命」を、      私たちは、永遠の命よりも「新しい可能性」を、選んだのです。      「素晴らしい!!、感動した!!!!」(小泉首相風に・・・)      おい、おい、      あんたは、2つのDNAの出会いより、その出会いの行為に感動してんじゃないの?!             あはっ、 オヤジジョークですみません。
おまけのおまけ (脱線の脱線) クローン      クローンって?      クローンとは、「お互いに遺伝的に同一な個体や細胞(の集合)」を言います。      クローンという言葉の由来は、ギリシャ語で「小枝」を指す言葉です。       (小枝、・・コワザ・・ではありません。コエダ・・ですよ。・なんかCMみたいですね)      つまり、1個の細胞または生物から無性生殖的に(雌雄が交配することなく)増殖した      生物の一群のことです。      植物の世界における挿し木や取り木、球根やむかごによる増殖が、クローン技術の代表的な      利用例であり、ミジンコなどもクローンにより増殖します。               で、      人間の命の期限は60回の細胞分裂と書きました。      これは砂時計の砂のようなものです。 決して元には戻りません。      クローンは受精卵の核を取り出し、体細胞の核を入れます。      体細胞の核は「期限」付きです。      体細胞が30回分裂しているなら、次は31回目の分裂であります。      新しくリセットとはなりません。      もう、お分かりですね。           落ちた砂はもとには戻りません。      30回分裂した核で新しくクローンとして産まれたとしても細胞は既に年老いています。      イギリスのクローン羊、ドーリー      今4才ぐらいだそうですがすでに老化がはじまっているらしいですね。      クローン技術が進めば「不老不死」に、・・・なんてのは些か、あさはかではないでしょうか?      人も「賞味期限」寸前のご老体の体細胞では、ご老体のクローンしか産まれない。         しか〜し!、      生殖細胞のテロメアは、分裂して短くなったとしても、テロメラーゼという酵素によって      修復されるんです。      ただ、生殖細胞にしか働きません。      クローンでは新しいDNAもできないのにね。        今の私たちには、生殖活動による増殖が最も確実で最も優れたものなのです。
いかがでしたか。 最後までお付き合い有り難うございました。      素晴らしきかな。  人体の不思議。  神秘なる人間。                    このページは「屋根に関する事のページ」です。 念の為